~カレーへの想い~ 工房だより
味のコンセンサスを得るのはかなり難しいのですが、
それでも私はカレーのスタンダードを目指したい。
万人に愛されるカレーを作るのが私たちの夢です。
飽きのこないいつでも手元に置いておきたい。
そんなカレーです。
ご意見をお聞かせ下さい。
欧風とインドの両方を作っていますが、
作り方の違いを端的に表現すると
キーマも含めたインドカレーは「スパイス勝負の大胆製法」であり、
欧風カレーは「デリケートな繊細製法」といえるのではないでしょうか。
よくカレーの美味しい作り方を聞かれることがあります。
主婦の方であったり、
独身の女性だったり、
手作りカレーに興味のある方です。
ただ、私は長年ひたすら欧風カレーとインドカレーを作ってきましたが、
しいて言えば時間と手間はかけてると申し上げます。
ダシ汁のブイヨンスープは6時間は煮込みますし、
(鶏がらにセロリ、たまねぎ、にんじん等を入れますと味に深みが出ます)
オニオンソティは3時間かけてあめ色になるまで炒めます。
ルーの煮込みはやはり3時間はかかります。
通しでやりますと10時間以上にはなってしまします。
これを主婦の方にお願いしてもそれは無理な話です。
この効率化の時代に。
しかし、カレーは時間をかけなくても美味しいカレーはあります。
例えば、小さい頃に母に作ってもらったジャガイモとにんじんがいっぱい入っていたカレーは今でも食べたいと思います。
一般に売られている固形スパイスで十分楽しめます。
愛情たっぷりのカレーですから。
料理は心がこもっていればすべて美味しいのではないでしょうか。
(たまねぎをちょっと多めにして溶けるくらいまでじっくり炒めますとなんとも言えない甘さが出ます。)
いずれにしても、カレーは千差万別です。
時間と手間をかけてカレーを作るのは私の役回りなのでしょう。
職人気質の私にまわってきたのだと思います。
とにかく、きめ細かく丁寧に仕上げなければなりません。
これも別に特別なことでもありませんが、
たまねぎから始まって
自然に育まれた一つ一つの素材の良さを
引き出すのが私の仕事だと思っています。
もちろんスパイスも自然の恵みです。
最近、キーマがブームになっているようなので
トプカのキーマの特徴を一つあげますと、
ミンチ状にした牛と鳥の肉にヨーグルトを合わせることです。
トマトの酸味と絡んで口当たりがマイルドなのはそのためです。
ご飯にあいますが
ナンにつけて食べるとお酒のおともに最適です。
「妥協せず、丹精込めてじっくり仕込んだ職人の味」
心乱れず淡々と作り上げた職人の秘めた思いを
味わって頂きたいものです。 トプカ工房にて